Pâlir 青褪めた

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#7402016.01.29
 ただひとつ
 それはあまりにもありふれたもの、とるに足らぬ
 すべてのものが含み
 ありとあるものが知らず
 ただ月と陽とをひとしく配分する
 あなたの手をとるわたしの
 扉の向こうにさざめく火
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#7392015.12.17
 私はここにいる
 いない
 覆いながら追いかける声は藍色の
 ほんとうにうつくしいと知る一瞬誰も瞬かない
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#7432015.11.17
 指先はとうてい近寄ることはなかった
 少なくともその日その年その刻限
 兆しのような道を踏み越えるそのときまでは
 この汀に触れるものの一切は砕け散りながら離散した
 思い出を知らないままに骨は転がり落ちていく
 ただ満たされていくばかりの青黒の風景のなかにも一筋の絢爛は迫りながらほほえみ
 そうして無限の天蓋が君臨する
 彼はため息する
 魚は散らばる
 無論のこと鮫たちも
 そこに泳ぎ回る苦しみは誰のものか?
 選られはしないままに波が過ぎていくことの呵責なさ
 躊躇いなさ
 差し入れられる腕の鋭さ
 その白い頬に流れる冷たさをようやく私が知覚する
 記しながら解けていく夢と幻この無音の泥のなかへも恐らくは眠り続ける石と石の亡骸を彼は掬い上げる
 そうしていると私は信ずる
 きみは知っているか? 覚えているか
 私が何一つ約されない花束をきみになげうちこうして揺籃のさなかへ立ち入ることを
 できればそう、私は花を投げよう
 訪れはしなかったあの入り江へと……
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#7362015.05.22
 何をしていたの
 どんなことも
 それはいずれを壊してしまうよりもずっとよいこと
 あなたとわたしは同時にそこにいることのできない
 ここに立つあなたを私は追いかける
 私を追うあなたは二度とあの日に触れない
 掬った先のゆびは誰を見ていただろう
 あなたに教えるすべはない
 ばらけた鳥の床に拡がった月がわたしを囁く
 ここに閉じているのはふたつだけ
 訊ねる方法がわからない
 きっとあなたの歩き方を忘れるように
 私のさすものはどれもあなたをすり抜ける
 どうすれば
 あなたも答えられない
 わたしも
 いまはただ苦しみが眠っている
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#7352015.05.22
 はやすぎるとあなたは言った
 他愛のないことだったかも知れない、でもわたしにはこわかった
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